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WRC Official DVD 2005
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【あ行】
 アクティブダンパー
ダンパー(ショックアブソーバー)はコーナリング時に柔らかく、ジャンプの着地は硬くなど、相反する性能を両立させなければならないコンポーネント。しかし機械的なセッティングでは限界があるため、電子制御によって油圧系を操作し、その場の状況に応じた最適な減衰力を作り出すシステムがアクティブダンパー。
 アクティブデフ
モータースポーツではデフの作動を機械的に制限するLSDが使用されることが多い。これを一歩進めて電子制御でアクティブ作動としたものが、アクティブデフ。具体的にはブレーキング時にはデフをロック、コーナー進入時にはフリー、加速時には再びロックというように、用途に応じてデフの作動を自動的に行なうもの。当初はセンターデフに盛んに使用されたが、現在はフロント、リヤもアクティブ化され、トリプルアクティブデフが最新型WRカーの標準となっている。
 インカット
文字どおり、コーナーのイン側をカットする走法。例えばターマックなど少しでもタイムを稼ごうと、舗装路面との段差があっても片輪をイン側のダートに落としてコーナーを効率良く直線的に抜けるのだ。というわけでターマックでもアンダーガードを装着することも意外に多い。しかし、グラベルではイン側の草の中に大きな石が隠れていることも多くリスキーではある。コーナーをいかにインカットするか、コーナーのイン側のチェックはレッキでは必須である。
 インターコム
騒音の激しいラリーカーの室内でドライバーとコドライバーが会話するための装置。耳元のスピーカーとマイクから成っている。SS用はヘルメットに埋め込まれ、ロードセクション用はヘッドセットとマイクの組み合わせ。またインターコムは無線機と組み合わせることによって、チームとの交信にも使われる。
 エアリストリクター
エンジン出力のイコールコンディション化を図って、ターボチャージャーの吸気口に装置着される吸入制限装置。これは吸気口をFIA規定の内径に絞るもので、WRカー/グループAカーが内径34mm、グループNカーが内径32mmとなっている。
 FIA(Federation Internationale de Automobile)
国際自動車連盟。スイス・ジュネーブに本部を置き、会長はマックス・モズレー。世界各国の自動車連盟(ASN)が加盟し、モータースポーツにおいてはWRC、F1などの世界選手権、さらに地域選手権などを統括している。日本のASNはJAF(日本自動車連盟)。
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【か行】
 ガソリン
従来からさまざまなイコールコンディション化が図られてきたWRCだが、ガソリンも同様にワークスを含むシードドライバーはFIAのコントロール・ガソリンを使用することになっている。このガソリンはFIA指定のメーカーで精製されデリバリーされるが、2004年1月からはシードドライバーに限らず全てのコンペティターがこのFIAガソリンの使用が義務づけられることになっている。これらの給油はシードドライバーに限らず全てのコンペティターが、サービスパークやリグループエリアに隣接したリフューエルゾーンで行わなければならない。
 グラベル
ダートと呼ばれる未舗装の路面。土、岩、砂地などさまざまなタイプの路面があり、さらにスムーズ(フラット)路面、ラフ路面などにも分けられる。スムーズ路面の代表格がフィンランドラリーで、ラフ路面ではサファリラリーやアクロポリスラリーが有名だ。またマッド(泥)、ダスト(埃)など天候によって路面情況も変化する。
 グラベルクルー
グラベルノートクルー、アイスノートクルーとも呼ばれる。マニュファクチュアラーチームはSSのコース閉鎖の直前にグラベルカーを走らせることができるが、これに乗り込むのがグラベルクルー。グラベルクルーはラリードライバーが使用するペースノートのコピーを持ち、コース状況を細かくチェックする。ここで得られた情報はサービスパークに送られ、タイヤ選択や実際のラリーカーの走行に生かされる。グラベルクルーはラリーカーが走る1時間から2時間前にコースを走り、本番に近い状態のコース状態や、レッキ後の路面の変化をチェックすることができるため、現在のラリーで勝つためには必須の存在。このため若手で伸び盛りのドライバーや、引退した有名ドライバーがグラベルクルーの任に当たることも多い。
 グループA
87年からWRCの主役を務めているカテゴリー。連続した12ヶ月間に2500台以上生産された車両をベースとして定められた範囲の改造が許される。ただしWRカーと異なり、4WD化やターボの追加装着は認められず、市販車の時点から備えていなければならない。WRCのレギュレーションでは、技術的な規定が異なるものの、グループ/クラス分け上ではWRカーもグループAに含まれる。
 グループN
グループA同様に連続した12ヶ月間で2500台以上生産された市販車をベースとする。ただし改造は大幅に制限され、基本的には安全装備とサスペンションの改造程度が認められたカテゴリー。市販車にごく近い存在のため、ショールームクラスと呼ばれることもある。
 コ・ドライバー
ナビゲーターとも呼ばれ、ロードブックやペースノートを使用してドライバーへの指示を行なう。サーキットレースと異なり、常に異なる道を長距離走るラリーにおいては、すべてのコースをドライバーが記憶することは不可能なため、コ・ドライバーが不可欠の存在。コ・ドライバーの能力は戦略の立て方、ペースノートの読み上げのタイミング、ドライバーの精神状態の安定化などで優劣が問われる。またコ・ドライバーといってもレギュレーション上はドライバーと交替してラリーカーを運転することも可能。ドライバーとコ・ドライバーを合わせてクルーとも呼ばれる。
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【さ行】
 サービスカー
ラリーのサービスを行なうための専用車。トレーラー、トラック、バンなどベースになる車は多種あるが、各チームの本拠地から自走できるヨーロッパラウンドでは大型のトレーラーやトラック、コンテナで転戦する必要があるヨーロッパ外のイベントでは小型のトラックやバンが使用されることが多い。内部はパーツ、工具などが整然と置かれ、まるで動く自動車工場のようである。
 サービスパーク
ラリーカーのチェックや修理を行う場所。以前はSSやパルクフェルメ、リグループ以外ならどんな場所でもサービスを行うことができたが、現在ドライバーとコ・ドライバーのラリークルー以外が行うサービスは、サービスパーク内に限定されている。また、サービスパークの場所は一ラリーで2ヶ所までと決められている。サービスパークのINとOUT間に許されるサービス時間は、おおむね各レグ最初のサービスが10分、レグ1とレグ2最後のサービスが45分、それ以外が20分だが、2002年初戦モンテカルロ・ラリーでは例外的に興行的理由からレグ2とレグ3朝一番のサービスが45分で行われた。もちろん、これらのサービス時間をオーバーするとペナルティーの対象になる。
 車検
初回3年、2回目以降2年おきに行われる一般の車検とは異なって、ラリーの場合はスタート前に行われる車両検査のこと。これはマシンがそのホモロゲーションに準拠しているか否か、改造がFIA規定内で行われているか、ラリーの出走に支障がないかなどをチェックするもの。その内容の例を挙げれば、ターボチャージャーやトランスミッションなどから、ロールケージ、消火器、シートベルトなどの安全装備、ヘルメット、レーシングスーツ、グローブ、シューズなどのラリークルーが身につける物、さらにそのマシンの属するクラスの規定重量のチェックなど多岐にわたる。また上位入賞車はラリーのゴール後にも再車検があり、この検査に合格しないと結果は正式なものとならない。
 シェイクダウン
ラリー本番直前の木曜日午前中に行われる公式テストで、マニファクチャラーズ・チームはこのテスト参加が義務づけられている。ただしプライベートはこの限りではないが、2001年まではラリーによってはマニファクチャラーズ・チームとプライベート・チームのテスト場所が異なることもあった。テストを行うクローズドコースとサービスパークが隣接しているため、このシェイクダウン・テストから観戦するギャラリーも多い。
 ジュニア世界ラリー選手権
2001年から始まった1600ccのFFラリーカーによる「スーパー1600」が、2002年から「FIAジュニア世界ラリー選手権」に模様変えした。マシンのレギュレーションはほとんど変更はなく、対象となるイベント数も同様の6戦で第1戦モンテカルロ、第4戦カタルニア、第7戦アクロポリス、第10戦ドイツ、第11戦サンレモ、第14戦イギリスとなっている。タイトルはドライバーに掛かるが、問題となっていた出場ドライバーに対する年齢制限案は撤廃された。
 スーパースペシャル
SSの一種だが、完全に閉鎖したサーキットのような場所で2台、または3台が同時走行する観客向けのSSをスーパースペシャルと呼ぶ。コースの性格上、距離は2〜6kmと短い。このためラリーの勝敗にはあまり大きな意味を持たないが、大観衆が集まること、他のアトラクションと併催できることなどから、ラリーのショーアップ化に役立っている。
 スタッドタイヤ
雪や氷のラリーで使われるタイヤ。日本ではスパイクタイヤと呼ばれる。通常のラリータイヤより明らかに細いタイヤに多数のスタッド(スパイク)をタイヤに打ち込んだもので、これはスタッドをうまく雪面に食い込ませるため、タイヤの面圧を稼ぐためのデザイン。スタッドタイヤを使用するのはモンテカルロラリーとスウェディッシュラリーだが、それぞれのラリーでスタッドの本数、形状、長さの規定が異なっており、雪の多いスウェディッシュではモンテカルロよりヘビーデューティーなものが使用される。スタッドタイヤも2種類のトレッドパターンのみ使用可能だが、しかし2002年スウェディッシュのレグ3ように凍ったグラベルとなってはスタッドタイヤではなくマッドタイヤも欲しいところだ。
 SS(スペシャルステージ)とLEG(レグ)
一般の通行を完全に遮断した、ラリーカーがタイムアタックを行うコース。その形態は、公道から私有林道、サーキット、さらに特設コースまでと多岐にわたる。現在のWRCでは20ケ所前後のSSが設けられ、SSだけのトータル距離は400km前後。ひとつのSS距離は短いもので2km前後、長いものではせいぜい35km前後までだが、救急車を多数配置するなど安全面などの措置が採られた場合は特例として60kmほどののSSが行われることもある。WRCでは1日にあたり5〜7ケ所のSSが行われ、これに3〜4回のサービスやリグループが加わって,一つのレグ(LEG)となる。現在は3日間、3レグ制で行われている。
 世界ラリー選手権
FIA世界ラリー選手権で、WRCはWorld Rally Championshipの略。FIAが認める世界選手権はWRCとF1のみで、F1がレースの頂点であるようにWRCはラリーの頂点として位置づけられる。WRCはまず「マニファクチャラーズ選手権」として73年にスタートし、79年から「ドライバーズ選手権」が加わる2本立てとなった。さらに今シーズンからグループNの「FIAプロダクション・カー世界選手権」、スーパー1600が「FIAジュニア世界選手権」として昇格するなど、WRCは4つのタイトルを巡ってホットな戦いが展開されることになる。なお、新井敏弘が2000年にタイトルを獲得したチームズカップは2001年限りで廃止された。
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【た行】
 ターマック
いわゆる舗装路のこと。2002年のWRCではツール・ド・コルス、カタルニア、ドイツ、サンレモの4戦がドライターマック、モンテカルロがターマック、雪、氷のミックスとなる。舗装路といっても日本のようなフラットな路面だけではなく、ざらざらした簡易舗装や、ひび割れた路面、穴のあいた路面も存在する。またアベレージスピードもコーナーの多いコルスは低く、比較的ストレートの長いコースが多いカタルニアが高いという具合に、ターマックラリーもさまざまな形態を持っている。
 ターマックタイヤ
舗装タイヤ。以前はサーキット同様にスリックタイヤが使用されていたが、現在はパターン入りのタイヤの使用が義務付けられている。またラリー用のターマックタイヤはサーキットのものよりサイドウォールが補強されている。これはコース脇の石や縁石などでタイヤをカットする可能性が高いため。またウェット用のターマックタイヤはサーキット用のウェットタイヤと良く似たパターンを持っている。
 タイムカード
主催者が各クルーに配布するもので、SSのスタート時間、SSのゴール時間、次のタイムコントロールへの時間などが走行するごとに記入され、控えを主催者が保管する。つまりタイムカードにはSSタイムやロードセクションのペナルティなど、そのクルーのタイムに関するすべての情報が記されていることになる。ふつうはコドライバーが管理するが、タイムカードを紛失すると失格という重いペナルティが課される。
 タイムコントロール
タイムカードに記入を行なう場所。SSのスタート、ゴール、サービスパークの入口、出口などでラリーカーの通過時間を確認する。ロードブックなどにはTCと略して記載される。また日本のラリーではチェックポイントと呼ばれる。
 電子制御ギアボックス
通常のマニュアルでシフトするものを電子制御+油圧によって作動させる、現在主流のアクティブギアボックスを採用している。6速ギアのシフト操作はステアリングホイール裏にある“パドル”でチェンジし、手前に引くとシフトアップ、奥へ押すとシフトダウンする。ステアリングホイールを握りながら指の引きと返しで操作できるため、シフト操作はフロアチェンジよりもはるかに速く、ドライバーはドライビングにより集中できる。
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【は行】
 パルクフェルメ
定められた場所での車両保管場。ラリーのスタート前、各レグ終了後翌日のスタートまで、ラリーのゴール後など、定められた場所にラリーカーを集め、主催者が車両を保管する。この間、ラリーカーへの修理はもとより、パルクフェルメへの立ち入りが一切禁じられる。ただし例外としてフロントウィンドウの交換作業だけはパルクフェルメ内で許される。ドライバーはパルクフェルメにラリーカーを駐車した後はすみやかに立ち去らなければならない。またパルクフェルメからスタートする場合は、スタートの10分前にパルクフェルメに入り、エンジンを始動することが認められている。
 左足ブレーキング
ブレーキの大きな役割はもちろん車を制動させることだが、ラリーでは本来とは異なった使い方もある。それは車の姿勢をコントロールする際に左足でブレーキを踏むことで、荷重移動による姿勢の修正や、逆にコーナリングする際の姿勢を作るきっかけに使ったりする。この時なぜ左足でブレーキするのか? 答えは簡単、右足で常にアクセルを踏んでタイムを少しでも稼ぎたいからである。その昔、スカンジナビアン・ドライバーの秘技とさえいわれたが、現在ではセミオートマティックミッションの採用で1速でスタートする以外クラッチを踏む必要がないから左足は結構“暇”なのである。
 フライングフィニッシュ 現行
SSのゴール地点。ラリーカーはフライングフィニッシュに設置された光電管の前を全開で走り抜け、そのビームを切った時点がSSのゴールとなり、この後ラリーカーはスローダウン。200mほど先にあるタイムコントロールで停車してSSのタイムをタイムカードに記入してもらう。現在、タイムは100分の1秒まで計時される。
 プロダクションカー世界ラリー選手権
これまでのグループNカーによるFIAカップが、2002年から「FIAプロダクションカー世界ラリー選手権」として再出発する。いままでのように全戦にこの選手権が併設されるわけではなく、第2戦スウェディッシュ、第3戦ツール・ド・コルス、第5戦キプロス、第6戦アルゼンチン、第8戦サファリ、第9戦フィンランド、第12戦ニュージーランド、第13戦オーストラリアというジュニア選手権と重ならないラリーが8戦選ばれている。タイトルはドライバーにかけられるが全8戦中6戦の得点が有効となり、エントリーは事前の登録制を採っている。
 ポディウム
ラリーフィニッシュ後の表彰台のことで、ここでは殆どの場合暫定表彰の形をとる。最近のWRCではサーキットのレースのように、1、2、3位のラリークルーのお立ち台を設け、またそれらのマシンを同時にポディウムの前に並べて表彰を行うラリーもある。
 ホモロゲーション
いわゆる公認のこと。例えばグループAやNの規定に準拠し、その生産台数が規定数に達していることを公認書(ホモロゲーションフォーム)としてFIAから証明されたということ。WRCやAPRC、その他の国際格式の競技に出場するには、FIA(国際自動車連盟)から公認された車両とし、その公認書(ホモロゲ-ションペーパー)を参加者側で準備することが義務付けられている。この公認書には車両に対すること細かなスペック(車体の大きさ、形状、エンジンのカム形状、トランスミッションのギア比etc)が記載されており、車検時には車検員がこの公認書をもとに、参加競技車両を確認する。当然グループAとして公認された車はグループAクラスにしか出場できない。
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【ま行】
 マッドタイヤ
マッド=泥濘用のタイヤ。グラベルタイヤよりブロックが大きく、排水、排土性の向上のために溝幅が極端に広げられている。またスタッドタイヤ同様に面圧を上げるため、通常のグラベルタイヤより細めのデザインとなっている。マッドでは抜群の性能を持つが、ドライのグラベルでは磨耗が激しいため、使用されるSSはかなり限定される。
 マニファクチャラーチーム(ワークスチーム)
自動車メーカーが自社を代表する、と認めたラリーチーム。WRCでは3名のドライバーをマニファクチャラーズ・ポイント対象ドライバーとしてノミネートする制度があるが、そのうち2名は事前の年間登録が必要だ。ただし、マニファクチャラーズ・ポイントとしてカウントされるのは、上位2名の獲得した合計ポイントである。
 ムースタイヤ
タイヤにドーナッツ状のムース(スポンジ)を組み込んだもの。パンクして空気が抜けてもムースがタイヤの形を保持するので、タイヤ交換なしで走行を続けることができる。ラリーにはパンクがつきものだけに、現在のWRCには欠かせないタイヤ。ムースはターマック、グラベル、スノー、マッドなどすべてのタイプのタイヤに組み込むことができる。ピレリはEMI、ミシュランはATSと呼ばれる。
 モーターホーム
ドライバーの休憩、メカニックなどのチームメンバーへの食事の世話、ミーティングの場などを目的とした多用途車。現在ではサービスパーク場所が1〜2ヶ所に固定されるため、大型の2階建てのバスやトレーラーが持ち込まれる。
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【ら行】
 ラリーコミッション
FIA内部に設けられたラリー委員会。WRC主催者、FIAメンバー、マニュファクチュアラーチーム代表者などで構成され、ラリーの運営、ラリーの開催スケジュールなどを討議する機関。ラリーコミッションの決定はFIAワールドカウンシルへ送られ、正式に決定、発表されることになる。
 ラリーコンピューター
ラリーカーに搭載されたコ・ドライバー用の計算機器。ロードブックの次の曲がり角迄の距離の表示とその補正の為、時間、距離などをインプットすると、次の目的地までの平均スピード、時間の遅れ進みなどが表示される。レッキではコーナー間の直線の長さを正確に把握するため、ドライバー側にも装着されるケースがある。また燃料残量とSSでの最高速度が表示される。
 ランプポッド
夜間走行に必要な補助灯をケースに収納したもの。ボンネット上に装着されるものはランプポッドと呼ばれ、バンパーに装着されるものはバンパーポッドやコーナーポッドとも呼ばれる。昔のラリーカーでは補助灯は車両前面に装着したままということが多かったが、ドライバーの視界、冷却性能、軽量化などの面から不必要な際は取り外すことが望ましい。そのため脱着の簡単なランプポッドが考案され、さらに空力性能などが考慮され、現在のような形状のものへと進化してきている。最近は夜間走行が殆どなくなったので、これを見ることも少なくなった。
 リグループ
パルクフェルメ同様、定められた場所にラリーカーを一定時間駐車するもの。ただしパルクフェルメが長時間に及ぶのに対し、リグループは15分から30分程度と短い。またパルクフェルメは各レグの前後に限定されるが、リグループは各レグの中間のサービスパークへ入る前に置かれる。これはラリーに何らかの理由でスケジュールの遅れが生じた場合を想定し、リグループで隊列を整えることを目的としているため。パルクフェルメ同様、ドライバーは駐車後、次のエンジン始動までリグループ内への立ち入りを禁じられる。
 レッキカー
レッキでラリーの本番車を使うことは禁止されているため、マニファクチャラーチームや有力プライベートチームはグループN仕様に準じた専用のレッキカーを準備している。スポンサー名などが入ったカラーリングも禁止されているため、レッキカーは白やグレー、赤といった単色に塗られる。タイヤは一般市販ロードタイヤの使用が義務付けられている。
 レッキとペースノート
主催者はラリーの参加者にロードブックと、時にはアマチュア向けの一般的なペースノートを配布することがあるが、これだけでは全開走行のための情報が不足している。このため参加者はレッキと呼ぶ下見を行い、コースを細かくチェックする。この時ドライバーが自身の走法に合わせてコーナーの曲率、長さ、使用ギア段数、コース上の障害物、ジャンプなどを口述し、コ・ドライバーがその詳細を記入したペースノートを作成する。実戦ではSSのスタートと同時にペースノートを読み上げ、ドライバーはその情報をもとに先の見えないブラインドコーナーでも全開で攻めることができる。しかしレッキは一ヶ所のSSあたり2回までしか認められないため、経験豊かなドライバーが優位な状況である。
 ロードセクション
ラリー中の移動区間。リエゾンとも呼ばれる。ラリーのスタートからSSのスタートまで、SSのゴールから次のSSのスタートまで、SSのゴールからサービスパークまでなど、ラリーカーがタイムアタックをせずに走行する区間。ロードセクションは閉鎖されておらず、ラリーカーも一般の交通に混じっての走行となるため、公道の交通法規を守ることが求められている。
 ロードブック
主催者が各クルーに配布するラリーのすべてのルートを記したノート。ルート中の交差点や曲がり角などが記号化されて記されており、ロードブックがあれば地図がなくともラリールートを辿ることができる。日本語ではコマ図と呼ばれる。ただし、ロードブックではSSの表記もルートを逸れないで走るための最低限の情報であるため、クルーはより詳細な情報の入ったペースノートを各自で作成する必要がある。
 ロールケージ
ケージは「籠」という意味だが、ラリーカーの室内にまるで籠のように張り巡らされたスチールパイプ製の安全装備をロールケージという。ロールバーと同義語。ドライバーとコ・ドライバーをこのロールケージが籠のように覆ってアクシデントから身を守る他に、ボディ剛性をあげるためのアイテムとしても重要なパーツである。その構造や取り付け方法はFIAのルールによって細かく規定されている。
 ロジスティクス
日本では物流を指す言葉だが、WRCではラリー開催地への機材の運搬を意味する。ヨーロッパ外のWRCで各チームが機材輸送に使うのはコンテナ。大型の40フィートコンテナを1チーム当たり20本近く使用し、これらの移動にはコンテナ船が利用される。またラリーカーは空輸されるなど、WRCのロジスティクスは大掛かりなので、飛行機だけで移動するF1の数倍から10倍以上の規模になる。
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【わ行】
 ワールドカウンシル
FIA内の最高決定機関。日本では世界評議会と呼ばれる。基本的には各コミッションから送られてきた内容について討議し、成否の決定を下す。WRCに関するレギュレーション、スケジュールなど、すべての重要項目の変更や新設にはワールドカウンシルの承認が必要となる。
 ワールドラリーカー
WRカーと表記されることが多い。97年からWRCに導入されたカテゴリーで、現在のWRCの中心的な存在。連続する12ヶ月間で2万5000台以上生産された2輪駆動の車両をベースとし、エンジンの載せ変えとターボ装着、駆動方式の4WD化などの大幅な改造が認められる。WRカー規定はレギュレーションの公平性だけでなく、4WDやターボを市販車に持たない自動車(欧州に多い)メーカーにもWRC参加の門戸を開いたものとして、高い評価を得ている。
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